[資料2]合衆国軍の再建に関わるトランプ大統領覚書 

公開日:2017.06.01

2017年1月27日
宛先:国家安全保障に関する国防長官及び行政予算管理長局長
主題:合衆国軍の再建

 合衆国憲法及び法律により大統領である本職に付与された合衆国軍最高司令官としてのものを含む職権により、以下のことを命令する:

第1章 方針 
力による平和を追求するため、合衆国は合衆国軍の再建を方針としなければならない。

第2章 即応性 
(a) 国防長官(以下「長官」)は30日間で「即応性見直し」を実施すること。同見直しには以下のことが含まれねばならない:

(i) 訓練、装備の維持管理、弾薬、近代化及びインフラストラクチャーを含む即応状態を評価すること、及び
(ii) 現会計年度内に実施可能で、かつ即応状態の改善のために必要な行動を特定する報告書を大統領に提出すること。

(b) 即応性見直しと並行して、長官は、行政予算管理局(OMB)局長とともに、予算再配置を含む2017会計年度向け軍即応性予算修正案を作成すること。

(c) 国防長官はOMB局長とともに、即応状態を改善し国家安全保障リスクに対処するための、2018会計年度予算要求の水準を設定すること。

(d) 本命令から60日以内に、国防長官は、国防長官の即応性見直しで特定された2019年までの即応性の水準を達成するための行動計画を大統領に提出すること。同行動計画は維持管理の不十分性、部品調達の遅滞、訓練場へのアクセス、戦闘司令部の作戦上の要求、消耗品に必要な経費(例:燃料、弾薬)、人員の不足、貯蔵所の維持管理能力、及び即応・訓練活動の計画、調整、実施に必要な時間を含む改善分野を記載したものでなければならない。

第3章 合衆国軍の再建
(a) 新しい国家安全保障戦略が議会に提出されたならば、国防長官は国家防衛戦略(NDS)を作成しなければならない。NDSの目標は大統領と国防長官に最大限の戦略的柔軟性を付与し、必要性に応じた戦力構成を決定するものでなければならない。

(b) 国防長官は新しい核態勢見直しに着手し、合衆国の核抑止力が、近代化され、強固で、柔軟で、回復力があり、即応性が高く、21世紀の脅威を抑止し同盟国に安心を与えるよう適切に調整されたものであることを確実にしなければならない。

(c) 国防長官は新しい弾道ミサイル防衛見直しに着手し、ミサイル防衛能力を強化し、本土防衛と戦域防衛の優先度のバランスを再調整し、優先的な予算投入分野を強調するための方策を明らかにしなければならない。

第4章 一般規定
(a) この覚書のいかなる条項も、以下の事項を損ない、または影響を与えるものと解釈されてはならない:

(i) 法律によって行政省庁、もしくはそれらの長に与えられた権限、または
(ii) 予算、管理もしくは立法の提案に関わるOMB局長の職務。

(b) 本覚書は適用可能な法律にしたがい、歳出予算の充当可能性の範囲内で履行されねばならない。

(c) 本覚書にしたがって取られるすべての行動は、情報収集活動や警察活動の情報源や手法を保護するための要件を満たすと共に先例に則って行われねばならない。本命令のいかなる条項も、情報収集活動及び警察活動を直接支援する特定の諸活動および諸組織の安全及び完全性を守る法律のもとに確立された諸措置に優先するものと解釈されてはならない。

(d) 本覚書は、合衆国、合衆国政府の省庁や機関、各種職員・被雇用者その他の者に対してコモンロー上または衡平法上強制しうる、実体上および手続き上のいかなる権利または利益をも生じさせることを意図せず、また生じさせるものではない。

(e) 国防長官は本覚書を官報で公示する権限を与えられ、公示することを命じられる。

ドナルド・J・トランプ

(訳:ピースデポ。原文はこちら