<資料3>スウェーデンによる「多国間核軍縮交渉を前進させる」決議の投票理由説明(抜粋訳)
公開日:2017.04.13
2016年10月27日
(前略)
我が代表団は決議に賛成票を投じた。この件に関する我々の見解を十分かつ正確に伝えるためには、この投票行動をより広い文脈に置くことが重要だと考える。
悪化する安全保障環境においては、核軍縮の進展がかつてなく重要かつ緊急に求められる。にもかかわらず、2015年NPT再検討会議の失敗やCTBTが未発効であるとの事実が象徴するように、近年は行き詰まりが続いている。核軍縮がかくも進展しないことに不満が広がっている。スウェーデン政府もこの失望を共有する。
我々の基本的視点は、他の非常に多くの国々と同様、人道的視点だ。我々は、実効性ある核軍縮につながるような、違いを生み出す効果的な法的措置であればいかなるものも支持する。
ある水準では、問題ははっきりしている。何より重要な目標は、核兵器の完全廃棄につながる核軍縮である。これはまた、本決議を我々が支持する主たる動機でもある。
別の水準では、問題は極めて複雑だ。このプロセスが、完全な核軍縮という目標を達成するための最も効率のよい方法となるのか。現時点では我々にはそれが分からないのは事実だ。しかし事の重大さを考えれば、我々には試してみる責務があると考える―それがいかに大変なことかは承知の上で。
我々は、既存の条約法には埋めるべき法的ギャップがあるとの意見には与しない。NPTは核軍縮と核不拡散におけるかけがえのない礎石であり続けている。禁止条約(a ban treaty)は、とりわけNPT第Ⅵ条の履行のための法的文書として、現行の法律や条約を―それらに取って代わるのではなく―補い強化しうる。交渉に参加し最終的には禁止条約に加盟する国々には、NPT遵守に全力を尽くすと共にその履行が確実に進むようにする、責任があり法的義務がある。
本日の投票は、ますます危険度が増していると我々がみなす現状に対する、重要で明確な態度表明である。とはいえ、これはプロセスの始まりに過ぎない。このプロセスの主要部分は実際の交渉であり、その交渉の間に将来の条約の適用範囲が議論され合意されねばならない。そこでは軍縮のみならず、より広く安全保障上や防衛上の問題も考慮されねばならないだろう。
スウェーデンはこれらの交渉に参加するし、他の大多数の国々もそうすることを切に願う。どのような条約であれその実効性―それが主要な基準となって条約が評価される―は、可能な限り広い支持が得られるかにかかっている。それを可能にするには、交渉は、核兵器国を含んだ包含性と橋を架ける精神に基づいて遂行すべきである。
この道筋を追い求める一方で、我々は引き続き、他の取り組みに対しても同じように開かれた姿勢を保ち続ける。スウェーデンは禁止条約が法としての唯一の選択肢だとはみなしていないし、公開作業部会報告書が示唆したように提案は尽きない。その提案のいくつかは、これから我々が前進していく中でさらに探究する価値がある。
(訳:ピースデポ)
原文: www.reachingcriticalwill.org/images/documents/Disarmament-fora/1com/1com16/eov/L41_Sweden.pdf