第1回「脱軍備・平和基礎講座」報告
公開日:2021.07.07
「核開発と核軍縮の歩み」講師:山口響 長崎大学核兵器廃絶研究センター客員研究員
2021年5月23日(日)15時から17時まで山口響さん(長崎大学核兵器廃絶研究センター
客員研究員)を講師に招いて、第1回「脱軍備・平和基礎講座」がオンラインで実施され
た。受講登録者は30名(通し参加29名、単発参加1名)で、そのうち、当日のズーム生配
信に参加したのは二十数名であった。
第1回のテーマは「核開発と核軍縮の歩み」で、受講者の多くが核問題の初心者である
ことを念頭に置いた非常にわかりやすい講義であった。講義では、1945年7月の米国によ
る世界初の核実験に始まった米ソ間の核軍拡競争がその後どのような展開を見せたのか、
また、核軍拡と核拡散に対して国際社会はどのように対処してきたのか、NPT、CTBT、
非核兵器地帯、TPNWなどを例として取り上げて紹介した。また、核兵器保有国と核兵器
依存国はなぜ核兵器を保有あるいは依存しようとするのか、一方で、核兵器非保有国はな
ぜ核兵器を保有しないのか、といった本質的な議論のわかりやすい解説があった。
質疑応答では、活発な議論が交わされた。これまで核兵器を手放した国はあるのか、ど
うすれば核兵器を手放すのか、核の傘から抜け出すには何から始めればよいのか等、初心
者ならではのシンプルかつ本質を突いた興味深い質問が出された。核廃絶と核兵器依存か
らの脱却を進めるには、まずは世論がそれを支持することが大事であり、世論に対する働
きかけが大切であるという山口さんの答えで第1回脱軍備・平和基礎講座は終了した。
(文責)渡辺洋介