4.16「北東アジアの非核化・平和」に関する外務省への要請行動

2018.04.19

2018年4月16日、15:05-35
対応;アジア大洋州局 審議官    石川浩司氏
          北東アジア課  戸田卓志氏
ピースデポ出席者;共同代表の山中悦子、特別顧問の梅林宏道、そして湯浅の3名。

 まず、河野外相宛ての要請書を私から石川審議官に手交したのち、事前に要請書は送付しており、既に読んでいることを前提に、要請書に対する見解を説明してもらい、30分弱の意見交換を行いました。
 要請書で、私たちは、以下の5つの項目につき要請しました。
(1)     包括的視点での取り組みを要請します。
北朝鮮の核武装の歴史を考えると、問題の解決には「北朝鮮の非核化」という狭い視点からではなく、より包括的な視点とアプローチが要求されます。
(2)     交渉の失敗の歴史を事実に則して正しく総括して下さい。
1990年代以来、度重なる朝鮮半島の非核化交渉は失敗してきました。過去の交渉から正しく学ぶことが不可欠です。そのためには失敗を北朝鮮のせいのみに帰するのではなく、事実に則し、双方の問題として教訓を引き出すべきです。
(3)     拙速を戒め、粘り強い交渉へのリーダーシップを要請します。
積年の相互不信が続く中での非核化交渉においては一足飛びの解決は困難であり、「誓約対誓約、行動対行動」の原則による一歩一歩の積み重ねが必要です。「部分的な透明性と検証」の方法論が要求されます。
(4)     6か国首脳宣言の必要性を主張して下さい。
長期にわたる交渉が予想されるなか、交渉の原則と最終目標について早期に合意することが必要です。6か国首脳宣言によってその合意を確立するのが適切であり、そのための日本政府のイニシャチブを要請します。
(5)     この機会を日本の新しいアジア外交の起点と位置付けた取り組みを要請します。
現在の機会は、日本がいつかは解決しなければならない北朝鮮との戦後処理、関係正常化への好機になります。さらに北東アジア非核兵器地帯設立など、より持続的な地域の緊張緩和と平和に向かう新しいアジア外交への起点とすることが可能です。

 私たちが提起した5つの要請項目の中で、相互の不信感が貯まっている中での交渉には、多くの困難な課題があり、長きにわたり忍耐強く交渉することが必須である以上、まず目標と交渉に当たっての原則を確認しあうために6か国首脳宣言を上げるべきであるとの提言(4)について、石川審議官からは、1つの選択肢としてありうることで、参考にしていきたいと前向きな反応が有りました。また、日本政府としては、まず92年のピョンャン宣言を活かすことがありうるとしました。
 ここでは、詳細は別の機会に譲りますが、こうしたやり取りを市民の側から提言していくことが重要性が増していると感じることができました。