<資料> 弾道ミサイル防衛の迅速かつ抜本的な強化に関する提言(抜粋)
公開日:2017.08.01
平成29(2017)年3月30日
自由民主党政務調査会
(前略)
もはや、わが国の弾道ミサイル防衛の強化に一刻の猶予もなく、今般、党安全保障調査会の下に「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」を急遽発足させ、これまでとは異なる北朝鮮の新たな段階の脅威に対して有効に対処すべく、あらゆる実効性の高い方策を直ちに検討し、政府に対し予算措置を含め、その実現を求めることとした。(略)
記
1.弾道ミサイル防衛能力強化のための新規アセットの導入
イージスアショア(陸上配備型イージスシステム)やTHAAD(終末段階高高度地域防衛)の導入の可否について成案を得るべく政府は直ちに検討を開始し、常時即応体制の確立や、ロフテッド軌道の弾道ミサイル及び同時多発発射による飽和攻撃などからわが国全域を防衛するに足る十分な数量を検討し、早急に予算措置を行うこと。また、将来のわが国独自の早期警戒衛星の保有のため、関連する技術開発をはじめとする必要な措置を加速すること。
あわせて、現大綱・中期防に基づく能力向上型迎撃ミサイルの配備(PAC-3SME:平成32年度配備予定、SM-3 ブロックIIA:平成33年度配備予定)、イージス艦の増勢(平成32年度完了予定)の着実な進捗、事業の充実・更なる前倒しを検討すること。
2.わが国独自の敵基地反撃能力の保有
政府は、わが国に対して誘導弾等による攻撃が行われた場合、そのような攻撃を防ぐのにやむをえない必要最小限度の措置として、他に手段がない場合に発射基地を叩くことについては、従来から憲法の認める自衛の範囲に含まれ可能と言明しているが、敵基地の位置情報の把握、それを守るレーダーサイトの無力化、精密誘導ミサイル等による攻撃といった必要な装備体系については、「現在は保有せず、計画もない」との立場をとっている。
北朝鮮の脅威が新たな段階に突入した今、日米同盟全体の装備体系を駆使した総合力で対処する方針は維持するとともに、日米同盟の抑止力・対処力の一層の向上を図るため、巡航ミサイルをはじめ、わが国としての「敵基地反撃能力」を保有するべく、政府において直ちに検討を開始すること。
3.排他的経済水域に飛来する弾道ミサイルへの対処
昨年8月以降、北朝鮮は3度にわたりわが国の排他的経済水域に弾道ミサイルを着弾させており、航行中の船舶への被害は生じなかったものの、操業漁船が多い海域でもあり、わが国船舶等の安全確保は喫緊の課題である。
このため、弾道ミサイル等の脅威からわが国の排他的経済水域を航行しているわが国船舶等の安全を確保するため、政府は、当該船舶に対して、航行警報等を迅速に発出できるよう、直ちに検討すること。(後略)
出典:
www.jimin.jp/news/policy/134586.html