【資料】 オバマ米大統領の広島訪問に際し、日米両首脳にNGOが要請書 「核兵器のない世界を実現するために 言葉だけでなく、真の行動をとることを求めます」(核兵器廃絶日本NGO・市民連絡会)
公開日:2017.07.15
アメリカ合衆国大統領 バラク・オバマ様
日本国総理大臣 安倍晋三様
核兵器のない世界を実現するために
言葉だけでなく、真の行動をとることを求めます
来る5月27日、G7伊勢志摩サミットの機会に、オバマ大統領が被爆地広島を訪問されることに対して、私たちは心より敬意を表します。私たちはこの機会に、日米両首脳に対して、71年前の核兵器の使用によってもたらされた未曾有の非人間的体験を直視し、核兵器のない世界の実現に向けた真の行動をとることを求めます。米国大統領の初の広島訪問という歴史的な機会を、ただの修辞だけに終わらせてはなりません。私たちは日米両政府に、以下の行動を誓約するよう求めます。
1.核兵器の非人道性についての認識をはっきりと示し、核に依存した安全保障政策から決別してください
●被爆者の生の声に耳を傾け、無差別大量殺戮をもたらした原爆投下は歴史的な間違いであったとする認識、いかなる核兵器の使用も壊滅的で非人道的な結末をもたらすという認識、そしてそのような破滅を決してくり返してはならないという強い決意を明確に打ち出してください。
●核兵器のない世界のための法的措置に関する国連作業部会(OEWG)は、核兵器を禁止して廃絶する普遍的な法的枠組みを作るための重要な場です。米国は、作業部会に参加してください。日本は、核兵器禁止条約の交渉開始を支持し、積極的かつ建設的な役割を果たしてください。
●日米両政府は、核兵器によらない安全保障の構築に向けて行動を開始してください。安全保障政策における核兵器の役割の縮小は、オバマ大統領がプラハ演説で掲げた重要な課題です。しかし米国の政策はいまだ不十分であり、日本はまだほとんど何も取り組んでいません。
2.北東アジアに非核・平和の秩序をもたらす努力を強めてください
●北朝鮮が核ミサイル開発を続けていることに対して、制裁手段や軍事的威嚇に頼るのでなく、非核兵器地帯の設置を含め、北東アジア地域に非核・平和の秩序をもたらすような外交努力を進めてください。中国との軍縮対話の促進も重要な課題です。
3.核拡散や核テロにつながる核物質を管理すると共に、これらを防止する政策を強化してください
●プルトニウムと高濃縮ウランの最小化と管理強化は、世界的な核不拡散・核セキュリティ上の緊急課題です。日本が約48トンという大量のプルトニウムを利用目的の説明のつかないまま保有していることは深刻な問題です。青森県六ヶ所村の再処理工場の運転凍結を含め、日米両政府はこの問題に協力して取り組むべきです。
2016年5月24日
核兵器廃絶日本NGO・市民連絡会
共同世話人
川崎哲(ピースボート)
田中熙巳(日本原水爆被害者団体協議会)
朝長万左男(核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会)
内藤雅義(日本反核法律家協会)
森瀧春子(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会)
連絡先 03-3363-7561(ピースボート)